No.180 堀井寛美 |
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子供思考の活かし方
押し入れの整理をしていたら懐かしいものが出てきました。私が小さいときに読んでいた絵本です。こんな何十年も前の本がよく残ってたなーと思い、ついつい読んでしまいました。すごく気に入ってた本だったのに、今読むと「何が面白かったんやろ?何なんこの本」って感じでした。それもそのはず、この本は『もけらもけら』という本で意味不明な擬音語?がひたすら書いてあるだけなんです。イラストは可愛い動物とかではなく抽象的というか未来の絵というか…。実際に見てみるのが一番でしょう。「もけらもけら」には「でけでけ」「ぐがんぐかん」など聞いたことのない言葉が繰り返されます。今読むとつまらない本なのに何故これが気に入っていたのだろう。 もう当時の自分の思考はわからなくなったけど、ひたすら一人で読んでいた記憶がある。ストーリー性のある物語絵本とかは親が読み聞かせてくれてたっぽいが、この本はどう読んで聞かせたらいいのかが判らなかったんじゃないかと思う。言葉を覚えはじめたころで本にある簡単な言葉の数々を自分なりに楽しく呟いていたらしい。自分は一人で本を読めるんだとアピールし誉めてほしかったのだろうか? 「もけらもけら」は意味不明な言葉遊びから言葉を覚えていくところに意図がある。絵本には子供の教育に繋がる内容が盛り込まれているが、大人の視点で考えても意図を見出すことができないこともある。それを子供は楽しく無自覚に行う。絵本の奥深さを感じた瞬間だった。
04/12/20 21:02
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